借主に関するリスク
借主の属性、種類、マーケットなどの観点からどのようなリスクが伴うかご説明いたします。
■借主の属性とリスクの関係
下の表は家賃収入の安定性から見た、借主の属性と種別、リスクレベルの関係をまとめています。*これもあくまで一般論であり、当然、個別のケースによって異なります。
リスク要因 | 借主属性 | リスクレベル | 借主の種別 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
売り上げ不振による撤退、賃料滞納。火を取り扱う場合の火災の危険性など | 店舗 | 高 | 小売店 | サービス | 軽飲食 | 飲食 | 特殊飲食 |
売り上げ不振による撤退、賃料滞納。業績向上、人員増加による移転など | 事務所 | 中 | 安定企業 | 成長企業 | 不振企業 | ||
よりよい条件の物件への移転、転勤による移転、賃料の滞納など | 住居 | 低 | 公務員 | 安定企業の会社員 | 学生 | 自営業 | 無職 |
リスクレベル | 低 | ⇔ | 中 | ⇔ | 高 |
賃貸用不動産の借主属性は大きく「住居」「事務所」「店舗」の3つに分類できます。不動産投資においては借主属性によってリスクの大きさが異なります。
上記は一般論としての比較です。 店舗や事務所は立地条件や景気に左右され、撤退や移転のリスクを伴います。また、空室になった場合、立地など条件に見合った店や会社を探さなければなりません。そのため、一般的に新たな借主を確保するのに時間がかかる場合があります。
住居も当然、立地や景気が影響し、空室のリスクを伴いますが、生活のになくてはならないものですので、賃貸条件を厳しくしない限り、新たな借主を見つけるのは、事務所、店舗に比べて容易になります。
このような事から、家賃収入の安定性で考えた場合、店舗、事務所に比べ住居のほうがリスクが低いといえるでしょう。それに加え、それぞれの属性における借主の「業態」「規模」「質」によってもリスクレベルは変わってきます。
店舗においては火災の危険性を伴うという見方から、一般的に飲食店のほうがリスクが高いといわれます。事務所においては収益が安定した会社か、住居においては安定収入が得られる職業かがポイントになります。 このように借主の属性、質などによってもリスクが異なります。